週末の夜を彩る星空シネマが、ドバイの風物詩になりつつある。  

2015年1月から、毎月第2週、第4週の週末に、高層ビルの櫛比(しっぴ)するジュメイラ・レイク・タワーズ地区内の公園で、屋外映画館が開かれている。芝生の上に特設スクリーンが設置された鑑賞無料の映画館に、観客は敷物やクッションを持参して集まる。  

アカデミー賞歌曲賞の「モーターサイクル・ダイアリーズ(Diarios de Motocicleta)」や、カンヌ国際映画祭のある視点部門オープニング作品の「パリ、ジュテーム(Paris je'taime)」などの世界の名作に交じり、ジブリ作品も数多く上映されている。  

ベルリン国際映画祭金熊賞の「千と千尋の神隠し」をはじめ、「借りぐらしのアリエッティ」や「崖の上のポニョ」など、4カ月間に4作品が上演されている。  同イベントを運営するグレート・イベント・ドバイ社のエミリーさんは「子どもたちに強いメッセージを発するジブリ作品は大変魅力的。物語の中心には際立った女性の個性があり、数々の受賞が日本アニメの質の高さを物語っている」と話す。  

「千と千尋の神隠し」の鑑賞者は、「子どもたちがお菓子を手に握ったまま、口を開けて映画に見入っていたのが印象的だった。開放感のある野外で、芝生の上で寝転んでリラックスできる鑑賞方法が素晴らしく、また来たい」と、今後にも期待を寄せる。  

夏の暑さが厳しいドバイでは、冷房の効いた映画館での映画鑑賞は重要な娯楽の一つとなっている。日本公開に先立って上演される映画は多く、ハリウッドをはじめとした世界のメジャー映画の多くを鑑賞できる。  

中東のエンタメ大国であるエジプトやレバノン、トルコなどの地域の映画が人気を博する一方、インドのボリウッド映画専用映画館など、住民の大半を占める外国人向けの映画も多数上映されており、ドバイの国際性を如実に反映している。2004年からドバイ国際映画祭も毎年開催されており、映画文化は一層広がりを見せている。  

エミリーさんは、そうした映画文化の広がりに貢献したいと、過去の名作を鑑賞できる機会を星空シネマの中で提供する。今シーズンは、夏休みを挟んで10月まで実施。今後については、「上映作品にサプライズを盛り込んでいきたい」といい、ジブリ映画以外の日本映画の上演予定があると明かす。

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