Dubai Biz Column
インドが、ドバイなどの中東アジア諸国との市場開拓の鍵に
アジアの経済の中で大きな力を持っているのが中国であることは周知の事実です。しかし株価動向は不安要素が多く、中国バブルはいつ弾けてもおかしくないのが現状です。また環境汚染のように、事業投資のマイナス要素となりえる大きな問題をいくつも抱えています。中国へ新たな事業投資は現時点では得策とは言えません。
一方で不安要素がありつつも条件の良さを否定出来ないのがインドです。世界的に低成長が続いているなかでGDPの成長率は高水準をキープし、インフレ傾向という不安要素も現在は安定の様相を呈しています。若年層の人口増加率も今後の経済成長を大いに期待させてくれるものがあります。
もともとインドはIT関連サービスを筆頭に、人材の宝庫としても知られています。表面的な成長率アップで窮地に陥ってしまった中国とは異なり、実を伴った高成長を遂げている国と言えるでしょう。不安要素が皆無というわけではありませんが、このような面はそれらを打ち消すに十分な要因となります。
またドバイに代表されるように、著しい発展を遂げている中東アジア諸国と大規模マーケットである中国との中間に位置している点も市場開拓していく上で好都合となります。現状では先行き不透明ではありますが、アジア投資銀行の中核を担う立場としての活躍も期待されます。アジア経済を牽引していく可能性は大いにあるのです。
事業投資のメリットは人材発掘や市場規模拡大といった副産物を得られる点にもあります。ならばその下地の整っているインドはアジアの中ではかなりの好条件と言えます。どのタイミングで、どの程度の事業投資を行うか、これにアジアでの市場開拓の成功がかかっているといっても過言ではないでしょう。