1978年の開設以来、ドバイの繁栄を眼下に見続けてきたドバイ世界貿易センター(DWTC)が、大規模な改革期を迎えている。 ムハンマド・ドバイ首長は5月19日、DWTCの改革に関する政令を発令し、既存のドバイ貿易センターは経済特区化されることになった。
併せて、所管組織としてドバイ世界貿易センター機関(Dubai World Trade Centre Authority)が設立され、ハムダーン・ドバイ副首長兼UAE財務相(ムハンマド首長の次兄)が総裁の職に就くことが決まった。また、ムハンマド首長の叔父に当たるアハマド・エミレーツ航空会長兼ドバイ民間航空庁長官が、副総裁に任命された。
DWTCは、日本領事館やトルコ領事館など、複数の各国出先機関が居を構えるドバイ貿易センタービルや、ドバイで行われる展示会のほとんどが開催されるドバイ・コンベンションセンターなどで構成されている。先の英国ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの公演や、ディズニー・オン・アイスなど、ドバイにおける文化・娯楽の開催地にもなっている。
今回の政令により設立されたドバイ世界貿易センター機関は、DWTC内の商業活動を活性化させ、国内外からのDWTC内への投資促進を目的とする。経済特区化されることにより、外国企業は100%外国資本によるDWTC内での会社登記が可能となり、ドバイの中心地というDWTCの地理的優位性も相まって、さらなる外国企業の誘致が期待される。
来場者数10万人を超えるGulfood(食の展示会)やCity Scape(不動産の展示会)などの大規模展示会を含む、年間100を超える展示会を開催するドバイ・コンベンションセンターもさらなる活性化が見込まれ、施設の充実とともにより多くの展示会の開催が見込まれる。
2020年のドバイ万博後は、ドバイ・ワールド・セントラル内の万博会場が、ドバイで開催される展示会を受け入れることになる。商業都市ドバイの中心地であり、近隣諸国へのショーケースであるドバイ・コンベンションセンターも、同政令により変革の時に来ている。