激化するドバイのハンバーガー競争において欧米チェーン店を迎え撃つ、ローカルハンバーガーを特集するシリーズ最終回。  

海岸線に並行して走るジュメイラ・ビーチロードは、激しいドバイ・ハンバーガー競争の中心地だ。「CaliBuregr」や「Shake Shack」、「Elevation Burger」「Fat Burger」などの米系ハンバーガーショップの他、ニュージーランドの「Burger Fuel」やスウェーデンの「Max Burger」など、高級バーガーショップが軒を連ねる。  

新しくできるハンバーガーショップは、料理を提供するだけでなく流行の発信源になっている。事前のブランディングは集客において重要な要素を占め、開店直後の店舗は流行を作るためにハンバーガーの味だけでなく、内装や外観でも人を引き付けなければいけない。  

昨年、大手ハンバーガーショップに交じってドバイのフードシーンに登場したのが「Moylo's」(Jumeira Rd Dubai)だ。地元ドバイ人が手掛けた店で、米系ハンバーガーを提供する。  

15席余りのこぢんまりとした店舗は、米西海岸ロサンゼルスのハンバーガーショップをモチーフとした内装が特徴。レンガの壁には多数の電球がむき出しに配置され、アンティーク調のダイニングセットを優しく照らす。ケチャップやマスタード、マヨネーズは、天井から下がる大きなチェーンにつるされ、調味料を振るのにも楽しい演出が加えられる。  

メニューは6つのバーガーから選択。パテには100%アンガス・ビーフが使用され、定番のMoylo's Burgerは、パテ、ケージャンソースで味付けされたオニオンリングとチーズ、レタスが挟まれている。人気はHoney Beeで、パテ、チーズ、ベーコンとレタスが、特製のハニーマスタードソースに絡まる。  

パルメザンチーズをあしらったフレンチフライ、コールスローサラダと一緒に食べるのが一般的。フレンチフライは、銀のバケツにあふれんばかりに盛られて出てくる。ドリンクは、大き目のジャムの瓶に取っ手が付いたような入れ物に入っており、グラスの容器には米国らしいジョークが記されている。見ても食べても楽しいと思わせる演出が店内にちりばめられている。  

昨年のオープンから、店内の壁には大小さまざまな錠前が取り付けられ、その数は日ごとに増えている。結婚したカップルが名前を書いて取り付けているものもあれば、友人同士の名前や、Moylo'sに対するメッセージが書かれているものもある。  

レジ横上部にひときわ大きく目立つのは、ハムダン皇太子の名前入りの錠前だ。同店のフェイスブックやインスタグラムには、ハムダーン皇太子が訪れた記録が写真入りでたびたび掲載されており、皇太子のお気に入りのハンバーガーショップであることがうかがえる。  

今後、ドバイにますます増えていくであろうハンバーガーショップ。欧米のチェーンに負けじと、ローカル発のハンバーガーショップが試行錯誤を繰り返し台頭する。

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