現在建設中のルーブル美術館アブダビ近くにある「マナラ・アル・サディヤット」(Manarat Al Saadiyat)で7月28日、企画展「不朽の肖像(Immortal Figures)」が始まった。  ルーブル・アブダビが完成に先立ち今夏展開する企画展シリーズ第2弾となる同展。7点を展示した企画展第1弾「アル・カラム(Al Qalam、ペンの意)に続く同展では、大陸や年代の異なる4点の肖像を展示する。  展示室入り口では、木の板に描かれた古代エジプトの「ファイユームの肖像画」が来場者を出迎える。西暦225~250年の間に描かれたとされ、同様の肖像画は、19世紀の終わりにエジプトのファイユーム地域で発見されており、それらを総称してファイユームの肖像画と呼び、パリの本家ルーブル美術館にも展示されているという。古代エジプトでは、埋葬の際に肖像画を遺体の顔の上に乗せていたとされ、同作品もその1つという。  ファイユームの肖像画の奥にある3点の像は、ニューイングランド島の木製ウリ像(パプアニューギニア)、12世紀に作られたとされる金銅製の弥勒菩薩像(ネパール)、ルネサンス期のイタリア人彫刻家アンドレア・デッラ・ロッビア作のヴェローナの聖ピエトロ胸像(イタリア)。  聖ピエトロの胸像は、横から見ると頭に大きな切り口が入っている。モデルとなった12世紀の聖職者ピエトロが斧(おの)で頭を割られ暗殺されたことが由来といい、絵画でもたびたびその姿で描かれるという。  ルーブル・アブダビは、2007年3月のフランスとアラブ首長国連邦の政府間合意によって設立が承認された施設。フランスの建築家ジャン=ヌーヴェルが設計を担当する。  開催時間は9時~20時。入場無料。8月30日まで。
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