ドバイのアル・クオーズ工業地区(Al Quoz Industrial Area)にあるアート地区「アル・ザーカル・アベニュー(Al Serkal Avenue)」で1月22日・23日、Quoz Art Festivalが開催され、同アベニュー内の各ギャラリーのコレクション展示の他、屋外シネマでの映画上映、キッズ向けのアート・イベントなどが行われた。
約40のギャラリーが参加し、地元アーティストによる展示のみならず、海外の有名アーティストの作品も多数公開された。革新的な現代アートを数多くそろえる「レイラ・ヘラー・ギャラリー(Leila Heller Gallery)」は、東京オリンピック・パラリンピックの競技場建設で話題となったZaha Hadidさんの個展を開催。宇宙をイメージさせるような流線型のテーブルや椅子が展示された。
2006年にベイルートに開業した「アイヤム・ギャラリー(Ayyam Gallery)」は、中近東のアーティストに光を当ててきた。ドバイには、アル・ザーカル・アベニューとドバイ国際金融センターにギャラリーを構えている。
今回はシリアのダマスカス出身のデジタル・アーティストTammam Azzamさんの作品シリーズ「The Road」を展示。2011年に引き起こされた「アラブの春」以後の戦禍のシリアを表現したアートワークで、その凄惨(せいさん)さをまざまざと見せつけた。ギャラリーの奥に配置された階段には、内戦によって崩れたビルを現すがれきが敷き詰められ、平面のキャンバスに描かれた以上の立体的なインパクトをもたらしていた。
ドバイ在住の写真家が多く所属する「ガルフ・フォト・プラス(Gulf Photo Plus)」は、地元アラブ首長国連邦(UAE)の女性フォトグラファー、Reem Falaknazさんの写真展を開催。UAEの北部首長国ラスアルハイマの小さな村が、建築資材に使われる良質な原材料となる岩山の開発によって、急激に変化していく様をカメラに収めた作品を並べた。
各ギャラリーでの展示に加え、週末の午後を家族が楽しめる仕掛けも用意。子どもたちが、5センチ四方のキャンパスにイマジネーションあふれるペイントを施す絵画体験や、中央の広間での生演奏など、参加型イベントには子どもたちの姿が多く見られた。