アラブ首長国連邦(UAE)の北部首長国の一つ、フジャイラのビーチリゾート「ミラマール・アル・アッカ・ビーチリゾート(Miramar Al Aqah Beach Resort)」で2月13日、市川海老蔵さんの歌舞伎公演「Grand Japan Theater」が開催された。
同公演は日本とフジャイラおよびUAEとの文化交流の一貫として、フジャイラ文化メディア局チェアマンのラーシド殿下の後援で実施され、運営会社のGlobal Logistics社会長アブダッラー殿下が来賓として参加した。日本側は、藤木完治在UAE日本国特命全権大使、道上尚史在ドバイ日本国総領事らが出席した。
日本の伝統文化を披露する機会とあって、会場には多くのUAE人が訪れた。事前に招待されたUAE在住の日本人も訪れ、和服姿が文化交流に色を添えた。
星空の下の野外ステージには、日本から持ち込んだ舞台セットが設置された。海老蔵さんの足拍子に合わせ、コロシアム型の会場には木の音が響き渡った。
公演は、舞踏「三升曲輪傘売(みますくるわのかさうり)」から開演。石川五右衛門に扮(ふん)する傘売りを演じる海老蔵さんが、力ずくで捕らえようとする猛者どもを、大小さまざまな傘を出して手玉に取るという話。
能「羽衣」や「津軽じょんがら節」などの演目が続き、歌舞伎の代表的な人気作の一つである舞踏「連獅子」をもって閉幕となった。
親獅子の精(海老蔵さん)と仔獅子の精(市川福太郎さん)が、紅白の長い毛を振り乱して踊る姿に観客は目を奪われた。生まれて初めて歌舞伎を見たというUAE人の男性は、「大変素晴らしいものを見た。車や家電、アニメ以上の日本文化に触れた気がする」と語った。
公演後、来場者の食事中には、太鼓ユニット「英哲風雲の会」の田代誠さん、辻祐さんによる和太鼓の演奏や、京都祇園の舞妓(まいこ)による演舞が披露された。
あいさつに立った海老蔵さんは「初めてUAEで歌舞伎を行ったが、日本の伝統文化を披露することができ、大変うれしかった」と話した。