歴史的建造物が残されるBur Dubaiの美観地区Al Fahidi Historical Neighborhoodで3月13日、今年6回目を迎えるアートイベント「Sikka Art Fair」が開幕した。
もともと伝統的なアラブ様式の家々の密集した同地域は、狭い通路と、砂漠で暮らす人の知恵を結集して暑さ対策を建築に取り入れたウインドタワーが特徴。Sikkaとはアラビア語で「狭い路地」を意味し、同イベントは迷路のような美観地区を芸術に包まれながら歩くアラブの伝統との融合的な芸術フェアだ。
中近東のアート文化を育成するためにドバイ文化芸術局によって立ち上げられた同イベント。常設ギャラリーのほか、中央広場に作られたステージ、屋外シネマなどで30以上のプログラムを展開する。
2003年に同地区内に設立後、中近東のアーティストを中心に現代アートを発信し続けているXVAギャラリーでは、イラン出身のアーティストMorteza Zahediの個展「Toy Story 2」を開催。廃材などを利用して作られた立体的なおもちゃ「Toy」は、「見る者を童心に誘う不思議な温かみを宿している」という。
イラク出身の写真家Adeeb Alaniさんは、広大なアブダビのリワ砂漠で撮影されたラクダの群れや遊牧民の写真を撮影。Unity @53での展示では、砂漠の丘陵を超えるラクダの一団や風紋の中に描かれた点のような遊牧民の姿を収めた写真が並ぶ。
体験型のアートイベントも多数展開する。Chocoma Studioでは、ガラスの文鎮やコップ作り体験を用意。中庭に置かれた窯に、参加者は汗をかきながら長い棒を突っ込み、ガラス細工を完成させる。Animation Chamberでの人形作りや、Alserkal Cultural Foundationでのアラブ模様デザイン講習など、毎日日替わりでワークショップが行われる。
屋外シネマでは、地元ドバイの映画プラットホームであるCinema Akilがサウジアラビアや地元UAEのインデペンデント映画を上映する。
そのほか、アラブテイストの洋服や、京都出身のアバヤデザイナー岩田健さんが手掛けた和風アバヤの販売コーナーも設けられている。
詳しいプログラムはドバイ文化芸術局のウェブサイトに掲載する。今月24日まで。