ドバイの海岸沿い複合施設マディナ・ジュメイラで3月16日、中東南アジアを代表する国際アート展「アート・ドバイ(Art Dubai)2016」が開幕した。今年10回目を迎える同展には、アラブ首長国連邦国内外40カ国から94のギャラリーが参加している。
同展は、74のギャラリーが参加する「現代美術(Contemporary Art)」、中近東、アフリカ、南アジアのアーティストのための「近代美術(Modern Art)」、毎年1カ国または1地域が招待される「マーカー(Marker)」の3つのセクションで構成されている。
現代美術コーナーに出展できるのは、世界の有名ギャラリーから選出された5人で構成される選抜委員会の審査に通過したギャラリーのみ。日本からは東京のギャラリー、オオタファインアーツが参加する。
オオタファインアーツのブースに出展しているのは、草間彌生さん、小池真奈美さん、半田真規さんらの作品。草間さんの代名詞ともいえるカボチャのオブジェも展示され、高さ127センチ、全長149センチの金色に輝く作品が存在感を放っている。
2013年にアート・バーゼルで、中央に配置したピアノを黒い糸のレイヤーで包みこむインストレーションで衝撃を与え、2015年ベネツィア・ビエニアルで日本パビリオンを赤く染めた塩田千春さんの作品も。パリのギャラリーGalerie Daniel Templonのブースに、黒い糸で覆い尽くされたトロンボーンが展示されている。
地域性を反映したギャラリーに触れることができるのも同展の魅力。トルコのイスタンブールから出展しているX-istギャラリーでは、Murat Paltaのオスマントルコ調の画風で童話「星の王子さま」や映画「E.T.」などを表現した作品を飾っている。
パレスチナ自治区のラマッラから参加しているGallery Oneは、米Time誌の表紙を飾った故アラファトPLO議長の姿を、同議長が身に着けていたものと同じ白黒のスカーフで表現したAmer Shomaliの作品を展示している。
開催時間は、18日=14時~21時30分、19日=12時~18時30分。入場料は50AED(約1,600円)。今月19日まで。