2日、中国の16歳の少年が上海の浦東国際空港で、エミレーツ航空機EK303便の貨物室に忍び込んで、そのままアラブ首長国連邦(UAE)のドバイまで約9時間半にわたるフライトに耐えて密航したが、現地で到着後すぐに発見され逮捕されたことを中国メディアが伝えた。当局はドバイの中国領事館に連絡を取り、案件の処理を進めているという。

航空機に忍び込んで密航という手段は、一見死と隣り合わせの危険な行為に思えるが、それは航空機のタイヤの格納室に潜り込んだりした場合である。貨物室というのは客室と同様に気圧が高められているために、気圧変化による温度低下での凍結などの心配はない。

少年は四川省の巴中出身で、ドバイに行き物乞いをして生活しようと考えていたらしい。

「ドバイのこじきは1日平均で日本円に換算して約27万もの収入が得られる」との報道もある。少年はその噂を信じ、密航に及んだようである。現地の検察関係者によると、少年は「違法だと分かっていたが未成年者だから逮捕されないと思った」「ドバイの刑務所は居心地が良く、リスクを冒した甲斐があった」「食べ物や飲み物がないことを除けば貨物室はまあ快適だった」などと主張している。

駐ドバイの中国外交官は、「中国国民みながこのような噂を信じないように願っている」と述べ、「アラブ首長国連邦では物乞いが法律で厳しく禁止されていて、違反すれば法に則って裁かれる」と強調した。

少年は後日に中国へ送還される予定だが、航空機を危険にさらした疑いと密航の疑いをかけられたという理由で、当局のブラックリストに加えられることが決定しており、生涯にわたってドバイへの再入国は禁じられることとなる。

このような犯行が起こった原因は、世界的に見てドバイはお金持ちが多く、良い人が多い、そして警察に捕まったとしても処遇が甘い、死刑になるほどのことではないといったイメージにあるといえる。

中国での噂が消えない限りは、また同様に密航してくる人物も出てくるのではないだろうか。

タグ:
中国
密告
物乞い
recommend to friends

コメント

  1. コメントはありません

コメント投稿