2016年6月、中華人民共和国(中国)西北地区とドバイを結ぶ初の国際貨物輸送空路が開通した。ドバイの空港を結ぶのは、甘粛省(かんしゅくしょう)の蘭州中川国際空港。 

甘粛省は中華人民共和国北西部にある省級行政区で、古くからモンゴル、西域に接する交易の要所として栄えてきた。

中国では、「これからの時代、アジアと欧州の協力関係を深めていく必要がある」という考えから、新たな連携モデルとして「シルクロード経済ベルト」と「21 世紀海上シルクロード」の2つで構成される貨物輸送ルートの強化に精力している(通称「一帯一路」)。その取り組みの意義は、アジアから欧州に至る国を跨いだ地域経済の一体化を推進しようという想いと、その一方で、中国と関係各国との文化交流を促進し、経済的つながりを密にすることで、中国とその範囲内の国々との政治的信頼関係を強固なものにするというものだ。

「一帯一路」の取り組みから、甘粛省はこれまでも蘭州とアルマトイ(カザフスタン)、ハンブルク(ドイツ)を結ぶ定期貨物列車などを設けてきており、今回新たにドバイとの空路を確立した。蘭州新区総合保税区管理委員会の巨宝慶主任は今回の取り組みの狙いとして、以下のように語っている。

「ドバイは中東地域の中継貿易の中心地のため、初の国際貨物チャーター便の乗り入れ先としてドバイを選んだ。次に香港への貨物チャーター路線を開設する」

ドバイの輸送拠点としての強みは、世界有数の機能と規模を備えた空港と港湾が近接し、数時間で貨物を船舶からエアカーゴへと移送できる点にある。第3国の航空会社が自由に路線を設定できるオープンスカイ(航空自由化)政策もいち早く導入されており、現在においてアフリカ、中央アジア、ヨーロッパ方面への人・モノの流れの不可欠な中継点となっている。

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