ドバイ近代アートの発信地ドバイ国際金融センター(DIFC)内のアート街にあるギャラリーで9月20日、今秋のコレクションが続々と始まった。

各ギャラリーでは同日19時からオープニングレセプションを開催。アーティストやアート関係者らが集い、もともと国際色豊かなDIFCが一層華やかな雰囲気を帯びた。

サウジアラビアのリーム・アル・ファイサル王女とUAEのサファ・アル・ハミドさんが共同オーナーを務める写真専門ギャラリー「ザ・エンプティ・クオーター」では、世界的な写真家ブルーノ・バービーさんによる個展「The Accurate Gaze」が始まった。

UAE連邦結成直前の1971年11月末に撮影された、故ザイード元UAE大統領や故ラーシド・元ドバイ首長らの写真が展示されている。UAEが現在の繁栄を享受する前の人々の生活や学校の様子なども写真を通じて見ることができ、歴史資料としても注目を集める。カメラを持って世界中を放浪したバービーさんが収めた、71年当時の東京銀座の交差点や、ベトナム戦争当時の荒廃したホーチミンなど、フィルター越しの歴史が展示されている。

ベイルートとドバイを拠点とする「アイヤム・ギャラリー」では、レバノン出身の女性アーティストララ・ザンコウルさんの個展「As Cold As a White Stone」が開催中。白い岩場を背景に複数の男女が無機質に配されるアート作品は、ララさんが「昨今の人間関係における希薄さ、抵抗、そして無関心」を表現したという。

そのほか、「クアドロ・ファイン・アート・ギャラリー」では、地元UAEのアーティストでベネチア・ビエンナーレへの出展経験もあるムハンマド・アハメド・イブラヒムさんの立体アート作品、「アート・スペース・ギャラリー」では、大量のアラビア語の文字を使って人物の顔を表現するザカリヤ・ラムハニさんの作品が展示されている。

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