現在ラマダン期間中のドバイで、一日の断食が明ける夕暮れ時の街角に蛍光色のベストを着たボランティアが、信号待ちする運転手や車の乗客に軽食の入った箱を手渡している。

イスラム暦の聖なる月「ラマダン月」は、イスラム教徒は積極的に寄付を行う。アラブ首長国連邦(UAE)では、2017年を「Year of Giving(与える年)」に位置付け、1年を通じて寄付やチャリティー、ボランティアを推奨しておりその精神にのっとった活動が国中で行われている。

ドバイのチャリティー機関「Easa Saleh Al Gurg Charity Foundation」では、一日の断食開け直後の食事「イフタール」を提供。ラマダン期間中に、建設労働者向けに10万食を配布する。

箱の中身は、水やデーツ、カップケーキなど、一日の断食を終えた体に負担の少ない食べ物。UAE内務省や警察、民間企業のスポンサーの支援で軽食が準備され、1万人のボランティアが配布に参加している。

信号待ちをしている運転手に箱を渡すのは、食事配給以外の理由もある。配布される箱には、「スピードを出しすぎない」「断食を交通違反の理由にしてはいけない」などの注意書きがあり、交通事故の多発するラマダンの月に、交通ルールを順守し、事故を抑制しようと啓発している。

昨年1年間にUAE国内で発生した交通事故件数は4788件。うち、ラマダン中に発生したのが1845件と、1カ月で全体の39%を占めている。一日の断食が終わる時間に注意喚起をすることで、事故の発生を抑える狙いもある。

Year of Givingの精神に従い、ボランティア活動を通じ、コミュニティーの絆を深め、祖国への忠誠心を養う目的もある。

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