ドバイを含むアラブ首長国連邦の交通法が7月1日、改正された。

UAEでは、交通事故による渋滞や死亡事故などが社会問題となっている。交通違反をした場合には、罰金や収監などとともに交通反則点数制度があり、違反ごとに加算された点数が合計24点を超える度に免許停止と車両使用禁止となるなど、厳しいペナルティーが課されていた。今回の新交通法は道路の安全性を高める目的で施行され、罰金額や反則点の変更、新たなルールの設置が行われた。

主な変更点とされているのは、10歳未満または身長145センチ以下の子どもに対するシートベルトの着用義務。これまでは義務化されていないことから、車の窓から子どもが身を乗り出した車両や、助手席に幼い子どもを乗せた車両が目についたが、施行後はこれに違反をした場合には、400ディルハム(約1万2,000円)の罰金が科せられる。これまでは運転席と助手席のみだったシートベルトの着用義務は後部座席にも適用となり、これに違反した場合には400ディルハム(約1万2,000円)の罰金が科せられる。

新交通法施行によりUAE警察の取り締まりも強化され、施行後3日間で約5,000件の交通違反に対して罰金が科せられた。チャイルドシートを販売する子ども用品専門店「Baby Shop」「Mamas&Papas」などでは、新交通法の影響でチャイルドシートの販売が急増し居住者の変化も感じられる。

タクシー業界でも、新交通法の影響で大きく改善が必要となった。これまでUAEのタクシーにはチャイルドシートは常備されておらず、使用する場合には事前の予約が必要だったが、今後各タクシー会社はチャイルドシートを常備した車両を増やしていく方針である。後部座席も含め、乗客がシートベルト着用を拒否した場合にはタクシー運転手は乗車を断る権利を持つことも、ドバイ警察より発表された。

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